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匠の技が集結!見て・触れて・体験する、ものづくりの一大イベント(中編) catch
#58

ものづくり・匠の技の祭典2023

匠の技が集結!見て・触れて・体験する、ものづくりの一大イベント(中編)

リポーター
ものづくり部 部長 わざねこ

日本の伝統を支えてきた匠の技をはじめ、最先端のものづくりの技能・技術が集結した「ものづくり・匠の技の祭典2023」。今回は、各分野の匠たちが優れた技を披露したステージの実演の様子を少しだけ、わざねこがリポートするね。

文字を刻む、芸術〜印章彫刻の小宇宙

文字を刻む、芸術〜印章彫刻の小宇宙

印章彫刻のステージでは、4人の匠が、それぞれ異なる書風で来年の干支の「辰」を彫刻する印章製作を実演したよ。サブサポータとして齋藤美雪さんが登壇、篆刻に挑戦したんだ。「篆刻(てんこく)」というのは、書や絵画などに署名として押す落款(らっかん)のこと。石や天然木などの印材に、文字を刻む芸術として発展してきたものなんだ。「衝刀法」という彫り方で、印刀(石に印を彫るための専用の小刀)を手前から奥に向けて押しながら彫っていくんだ。だから、印刀のことは、“押し刀”ともいうんだよ。

まず文字線の左側面を刻んだら、印材を回して右側面を刻んで一本の線にしていくよ。齋藤美雪さんも、「美」という一文字に初挑戦!印刀で刻む時の力の加減がとても難しそうだったよ。仕上げは、匠にお任せ。初めての篆刻に苦戦気味だったけど、匠のサポートで、美しい文字に彫り上がって、とても嬉しそう。わざねこも、自分の篆刻がほしいと思ったよ。


印章と印鑑の違いとは?

「印」という字は、もともと“右手で押さえつける”ことを表した象形文字。その意味が転じて、「押す」になったんだって。「章」は、入れ墨をする時の「針」を表しており、「印章」は“ハンコ”そのもののことを表すんだ。一方、「鑑」の字は、お皿の中を覗き込んでいる様子を表し、皿に水を張って覗き込むと自分の顔が見えることから、「鏡」の意があるんだ。「印鑑」は、ハンコを紙などに押した時の“押し型(印影)”を表す言葉。「図鑑」や「年鑑」という言葉があるように、“集められたもの”という意味で、印影を集めたものを印鑑という場合もあるんだって。

華やかで可憐な着付けの世界

華やかで可憐な着付けの世界

色鮮やかな振袖の創作帯結びと花婿の紋服着付け、花嫁衣装の早着替えなど、華やかなパフォーマンスで、多くの人を魅了したのが、着付けの匠たちによるステージ。振袖の創作帯結びの実演では、1級着付士5名が、4m30cmの帯をいろいろな結び方でアレンジして披露したよ。明るく元気でかわいいリボンのイメージや大胆な柄の振袖に古典の蜀江紋様を華やかに格調高く表現した帯結び、季節ごとに美しく咲き、人々の心を和ませる花々を表したもの、大きな万葉ヒダを2枚に重ね、柔らかく光沢のある帯でヒダの美しさを表現した帯など、どれも美しい彩りの帯結びばかり。

着付士の仕事は、一期一会の世界。初めて会った人に、その瞬間に感じたイメージで表現して着付けるのが仕事。そのために日々、練習を重ねているんだって。ステージには、花嫁と花婿が入場し、花婿の紋服を着付ける間、花嫁が白無垢姿を披露。振袖姿のモデルたちが登場して花嫁を取り囲むと、白無垢姿が一瞬で黒の華やかな大振袖に!お色直しの早技に、会場のみんなもびっくりしていたよ。一堂が揃って、荘厳なフィナーレへ。日本の伝統文化に根ざした着物は、華やかで優雅。伝統を今に伝えてきた匠の技のすごさを実感したよ。


花婿の着付け豆知識

ステージで披露された花婿の着付けは、染め抜き五つ紋だよ。背縫いの中央と両外袖、両胸元に、5つの家紋が染め抜かれている礼装。結婚式に使う袴は、“行灯袴”といって、中仕切りのないスカートタイプなんだって。紐の結び方は、結婚式というおめでたいことなので、十文字結びなんだ。男性の紋服姿は凛々しくて、日本人としての誇らしさを感じる装いだね。

花婿の着付け豆知識

身近な暮らしに役立つ、ウレタン防水施工の技

身近な暮らしに役立つ、ウレタン防水施工の技

塗膜防水のステージでは、匠によるウレタン防水施工の実演が披露されたよ。まず壁に、壁面用のウレタン防水剤を薄く均一に塗るんだ。下地が乾く前に補強布を外側に向かって皺なく貼り付け、その上からゴムベラで塗り跡がつかないよう絶妙の加減でウレタン防水剤を塗って仕上げていく。壁面が済んだら、次は床面。床面の防水剤は壁面用と違って柔らかく滑らかなんだよ。

2〜3回繰り返して塗り、3ミリの厚さに仕上げ、最後に塗膜防水剤を守るための保護塗料を塗って完了。凹凸のない均一な厚みに仕上げるプロの技に、サブサポーターとして登壇した神谷侑理愛さんもびっくり。普段、マンションのベランダや建物の屋上などで見かける防水施工が、匠の技に支えられていることに感激していたよ。意外と身近なところで、こうした技が生きているんだね。


住まいと建物を守る、塗膜防水の役割

住まいを守るために重要な役割を果たすウレタン防水施工は、今から58年前の1965年に登場し、屋上やベランダの改修工事では、65%のシェアなんだって。塗膜防水は、建物への雨水の侵入を防ぐのと同時に、コンクリートを雨水から守り、建物の構造体の劣化を防ぐ役割もあるんだ。塗膜防水を施すと、だいたい10年から15年は保つんだよ。


ステージでは、さまざまな匠が技を披露したんだ。普段は、なかなか観ることがない卓越した匠の技を実際に見学できる貴重な機会とあって、会場は大勢の人が集まっていたよ。これをきっかけに、ものづくりの世界に興味を持って、匠たちの後に続こうという若い人たちがたくさん出てくるといいな。当日のステージの様子は、以下の動画でも配信されているよ。ぜひ観てね。

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