東京都立蔵前工科高等学校の機械科ロボティクスコースで学ぶ2年生の川端洸太郎さん、武石虎輝(たいが)さん、根本雄大さんの3名に密着するリアルレポート第4弾。今回は、いよいよ最終回。それぞれの目標に向けて歩き始める3人の姿をお届けするね。
産業界で高まるニーズ
就職を目指す生徒にとって、ロボティクスコースに通うメリットは、どのようなことがあるのか。東京都立蔵前高等学校機械科の三浦達郎先生に伺ってみたよ。
「ロボティクスコースは、都内では蔵前工科高等学校だけに設置されています。今、産業界、特に製造分野は人手不足が常態化しており、その対応策として業務の自動化や効率化が求められています。そうした製造業の省人化や自動化を支援できる人材が「ロボットSIer(ロボットシステムインテグレータ))」。製造現場などに産業用ロボットを導入する際、コンサルティングや設計、周辺装置・機器の選定や組立、ティーチング(プログラミング)などを一貫してサポートするロボット導入のスペシャリストです。」
ロボティクスコースは、ロボットシステムを構築するエキスパートを目指すカリキュラムを揃えており、ロボット操作の基礎学習から安全教育、産業用ロボットや人協働ロボットの取り扱い、さらにPLC(Programmable Logic Controller)などの周辺機器の制御装置やプログラミングについて学ぶそうだよ。
「ロボットSI検定3級、情報技術検定を取得し、卒業時には産業用ロボット安全特別教育(教示)の修了証を取得(蔵前工科高校で発行)できます。進路先は大企業、有名企業を含め、多くの企業からの求人票が来ており、高い専門技術を備えた多彩な企業への就職チャンスがある点も魅力です。」
ロボティクス実習の様子
ものづくりの奥深さを知って
3人にロボティクスコースで学ぶメリットや魅力について聞いてみたよ。専門性を挙げたのは、根本さん。
「普通高校では学ぶことができない実習や専門知識が学べること、そして、何より就職に強く、いろいろな進路選択ができる点だと思います。」
子どもの頃からものづくりが好きだった武石さんは、その奥深さを知ったそうだよ。
「昔からプラモデルや工作など、一般的なものづくりには触れてきましたが、ここで学び、ものづくりの大変さや繊細さも含め、深く理解できたことで、さらにものづくりが好きになりました。蔵前は他の工科高校と比べ、施設・設備が充実しており、実際の製造現場に近い環境で実践的なことが学べます。」
工業系を志望する川端さんにとっては、就職に直結した学びが魅力だそうだよ。
「将来、仕事に就いた時に役立つ実践的な知識や技能をわかりやすく教えてくれます。学んだ知識・技術を活かせる就職先が決められる点も魅力です。」
ロボットSI検定に向けて
このコースは、「ロボットSI検定3級」が取得できる点も魅力。三浦先生に検定内容について伺ったよ。
「ロボットSIer(ロボットシステムインテグレータ)を行う上で必要な知識・技術のレベルを測るための検定試験です。(一社)日本ロボットシステムインテグレータ協会の実施するロボットSI育成プログラムの一環として実施しており、学校設定科目「ロボティクス技術」の授業内では、筆記試験対策として、ロボットの特徴や構造、教示、安全対策、システム構築のための周辺機器の制御などを学びます。実習では、実技試験対策として実際の産業用ロボットの基本操作であるピックアンドプレース(※)を習得します。」
今、3人は検定に向けて、放課後等の時間を使って、筆記や実技対策として補習を受けながら準備しているそうだよ。みんな、頑張れ!
※ピックアンドプレース(Pick and Place):ロボットがワーク(部品や製品)をつまみ上げて移動し、定位置で離す動作
快挙!SIリーグ、最優秀賞に輝く
2025(令和7)年12月13日(土)~14日(日)、愛知県常滑市の愛知県国際展示場で開催された「高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(SIリーグ)」で、蔵前高等学校が参加12校の競技部門で最優秀賞受賞!というビッグニュースが飛び込んできたよ。競技課題は、「空きペットボトル・空き缶の自動分別にチャレンジ!」。メーカーから貸与されたロボットを使ってロボットシステムを組み上げ、時間内に獲得した得点とシステムの完成度で競う競技。蔵前工科高等学校では、ロボティクスコースの3年生が中心となって、約8カ月かけてプログラミングやシステム構築をしたんだって。
高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(SIリーグ)とは
全国の高校生がロボットSier企業のサポートを受けながら、ロボットシステムインタグレーションの技術を学び、約8カ月の期間をかけて、競技課題に沿ったロボットシステムを各校独自で組み上げ、産業用ロボットのシステム構築技術を競う競技会。
SIリーグ体験談
SIリーグに2年生で参加した川端さんに詳しい話を伺ったよ。
「先生に誘われて参加したのが夏休みくらい。担当したのは、主に3Dプリンタを使った部品づくりのサポートです。ペットボトルと空き缶を仕分けるシステムで、自分たちで動きを考えながらプログラムしますが、2年生は授業で習っていないので、先輩たちから教わり、プログラムでできることを少しずつ理解しながら、手伝いました。回転するモーターにキャップを押し当てて開ける動作をプログラムするのですが、キャップを上げる際の動きを効率よくし、少しでもタイムを短縮できるよう動きを工夫するのが難しく、やっと思うようにプログラムできた時は感動しました。」
大会当日は、学校の作業場と会場の環境が異なり、光の加減などでプログラムがうまく作動しなかったそうだよ。「Webカメラの画像をもとにAIを使って画像処理し、5種類ほどあるペットボトルと空き缶の大きさを読み取り、仕分けする仕組みですが、会場の環境、特に光の当たり方で認識精度が変わってしまい、現場での調整に苦労しました。もう1校と接戦となり、どちらが勝つかわからない状況だったのでドキドキしましたが、優勝が決まった瞬間は飛び上がりました。」
ものづくりが好きな人にとって魅力的な環境が整っている、蔵前工科高等学校。ロボティクスコースの3人は、いよいよ進路決断の時を迎え、目指す道に向けてそれぞれが歩き出すんだね。みんなの今後の活躍に期待しているよ。

| 学校名 | 東京都立蔵前工科高等学校 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区蔵前1-3-57 |
| 連絡先 | 03-3862-4488 |
| ホームページ | 東京都立蔵前工科高等学校のHPへ |
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