• HOME
  • 特集記事
  • ものづくりの面白さとやりがいが実感できる充実の1日!
ものづくりの面白さとやりがいが実感できる充実の1日! catch
#28

高校生向け実習講座レポート

ものづくりの面白さとやりがいが実感できる充実の1日!

ものづくり部 部長
リポーター わざねこ

ものづくりの楽しさや奥深さを体感する機会として、職業訓練の高校生向け実習講座が開催されているんだ。今回は、東京都立多摩職業能力開発センター八王子校自動車整備工学科が「高校生向け実習講座」として実施した講座の様子を、ものづくり部 部長のわざねこがリポートするよ!

高校生向け実習講座とは

次世代を担う若者にものづくりの楽しさ、素晴らしさ、達成感を実感してもらい、将来の進路選択の一つとして『ものづくり』に興味を持ってもらうために実施する、高校生を対象としたプログラムなんだ。今回の実習講座では、自動車部品の分解・組立作業を通して、構造や役割、機能を分かりやすく解説、道具や工具の基本的な使い方、コツなどから丁寧に指導するので、誰でも安心して、ものづくりの楽しさ・素晴らしさが体験できるんだ!

高校生向け実習講座とは?

実車で、整備体験!

実車で、整備体験!

この日は、二輪自動車(バイク)の整備作業のコースで、オイル交換とクラッチのオーバーホールを体験するプログラム。作業の流れと注意事項に関するオリエンテーションの後、整備する実習車両の400ccバイクを見ながら、エンジンやクラッチの仕組み、エンジンオイルの役割など、バイクの構造について教わるんだ。レーシングスタンドを使って、テコの原理でバイクを直立させ、後輪が浮いた状態にしてスタンバイ。ところが、いざ参加者がバイクを立てようとしても、慣れないとバランスを崩し、傾いて倒れそうになる人も。コツを掴むのが、なかなか難しそうだったよ。 レーシングスタンドを取り付けてバイクを立てたら、シートにまたがって、エンジン始動!セルモーターのキュルキュル音とともに、直列4気筒のガソリンエンジンが目覚めると、参加者の目も俄然、輝き出す!操作説明を受けながら、クラッチをつなぎ、1速→2速→3速とギアチェンジ。タイヤの動きとギアの連動を確認。変速によるエンジン音のリアルな変化に、ワクワク!

ボルト1本が、命に関わる

ボルト1本が、命に関わる

いよいよクラッチの分解。ここで登場するのが、工具類。トルクレンチや六角レンチの使い方、ボルトの締め方の注意点を教わるんだ。大切なのは、外したボルトをすべて、元の位置に戻すこと。これ、整備士の鉄則―その1。そして、取り外したパーツは、床に置かず、パーツトレイに入れて整理して保管。やっぱり整理整頓は、すべてに通じる基本だね! エンジンが冷えているのを確認したら、エンジンオイルを抜いて、クラッチが収納されているケースのカバーを取り外すんだ。この時に外したボルトは位置を間違えないよう、ボルトが取り付けられていたカバーをかたどった台紙に穴を開け、それぞれの位置にはめて保管。これなら間違えることはないよね!「ボルト一本が、命に関わる」という整備作業の重要性を実感したよ! 次は、クラッチの分解。重要なのは、外した部品の位置・方向・順番がわかるように保管すること。これ、整備士の鉄則―その2。

適度な“あそび”が、大切?

適度な“あそび”が、大切?

ウエス(布)でクラッチ周りの汚れを清掃し、クラッチの中の部品を新品に交換したら、再びクラッチを取り付け、最後にエンジオイルを再び注入して、作業完了。工具類の片付けも、抜かりなく! 印象的だったのが、“あそび”の話。クラッチやブレーキのレバーには、軽く動く“あそび”が必要で、手の大きさや指の長さに応じて、その量を調整するんだ。でも、“あそび”の範囲を超えた緩みは、“ガタ”といって、破損や故障、事故の原因になるんだよ。この違いを理解することが大切。適度な“あそび”は必要だけど、“あそび”過ぎで緩んだら、よくないんだね!

高校生向け実習講座に参加して

高校生向け実習講座に参加して

一つ一つの手順が乗る人の命を守り、安全につながる、責任ある仕事。それは整理整頓や丁寧で確実な作業の積み重ねで成り立っているんだね。 こうしたものづくりの根っこに必要なのが、「車やバイクが好き」という気持ち。バイクと向き合っている参加者の表情を見れば、一目瞭然。 「普段、乗るのと整備するのでは、全然違うことを実感しました」と感想を話す参加者の笑顔に、ものづくりを体験できた満足感が表れていたよ。 ものづくりの面白さ、やりがいを実感しながら、自動車整備のエッセンスを味わうことができたはず。今回の実習で得た手応えを胸に、将来の仕事のイメージをつかんで、ものづくりの道に進んでほしいね!

指導員からひと言多摩職業総力開発センター八王子校 
自動車整備工学科指導員
高宮城 浩さん

指導員からひと言

「講座での体験を通じて将来の仕事として、これならやっていけそうだという実感が得られたことが、この世界を目指すきっかけになりました。」という声が参加者から寄せられています。高校生向け実習講座が、就職に向けて心を決めるひと押しになっていると感じています。車やバイクに興味がある人、機械いじりが好きな人はもちろん、そうでない人でも、実習を楽しむ中で、自動車整備士という職業に興味を持ってもらい、事故防止につながる自動車整備士の仕事の重要性についても学んでほしいと思っています。 電動化や自動運転システムの導入など、自動車の高機能化が進んでいる中、自動車整備士不足が深刻化し、重要な社会課題となっています。社会を支える大切な役割を担う自動車整備という仕事の一端を体験し、ぜひ、将来の仕事として自動車整備士を目指してほしいと願っています。

高校生向け実習講座が気になったら

高校生向け実習講座は、東京都立職業能力開発センター各校(一部の校を除く)で夏休み時期を中心に実施しているよ。体験内容はそれぞれ異なり、詳細は募集時期にTOKYOはたらくネットに掲載されるので、随時確認してね!

学校名 東京都立多摩職業能力開発センター八王子校
本社所在地 八王子市台町1-11-1
連絡先 TEL: 042-622-8201
ホームページ 東京都立多摩職業能力開発センターのホームページへ

#バックナンバー

日々、技と向き合う楽しさに、 心から喜びを感じて#109

日々、技と向き合う楽しさに、 心から喜びを感じて

奈良・平安時代に仏教と共に伝わったとされる、表具。糊と刷毛を使って、和紙や裂地(きれじ)を張り、加湿と乾燥の加減をみながら、掛軸や屏風、襖(ふすま)、障子(しょうじ)などを仕立てる繊細な仕事です。表具…

詳しくはこちら

匠の技と最先端のものづくり技術の今を体感!(後編)#108

匠の技と最先端のものづくり技術の今を体感!(後編)

ものづくりの伝統的な匠の技と最先端技術が集まる一大イベント「ものづくり匠の技の祭典2025」。今回は、大勢の参加者で賑わった出展ブースの様子をレポートするね。どのブースも、趣向を凝らした体験プログラム…

詳しくはこちら

匠の技と最先端のものづくり技術の今を体感!(中編)#107

匠の技と最先端のものづくり技術の今を体感!(中編)

日本のものづくりを支えてきた伝統的な匠の技と最先端のものづくり技術が集結した、「ものづくり匠の技の祭典2025」。今回は、さまざまな分野の匠たちが実演を通じて卓越した技を披露したスペシャルステージの様…

詳しくはこちら

匠の技と最先端のものづくり技術の今を体感!(前編)#106

匠の技と最先端のものづくり技術の今を体感!(前編)

2025年7月25日(金)〜27日(日)の3日間、東京都立産業貿易センター浜松町館で、「ものづくり匠の技の祭典2025」が開催されたよ。10回目を迎えた今回、10周年を記念する特別作品として、祭典を象…

詳しくはこちら

中国料理の奥深さに魅せられて#105

中国料理の奥深さに魅せられて

数千年に及ぶ歴史とともに、それぞれの地域の気候や風土、食材、調理法に応じて多様な食文化を育んできた、中国料理。大きく北京料理、上海料理、四川料理、広東料理の4大流派に発展し、日本人にとっても身近な食と…

詳しくはこちら

自らの手と感覚で掴んでいく、高精度の接合技術。#104

自らの手と感覚で掴んでいく、高精度の接合技術。

熱や圧力で金属を接合する技術―溶接。鉄やステンレス、アルミなどを高い強度と剛性で接合できることから、金属加工における重要な技術として、幅広い分野の製品、部品の製造に利用されています。溶接を手がけている…

詳しくはこちら

クライアントの課題解決に向け、 ベストのデザインを導き出す。#103

クライアントの課題解決に向け、 ベストのデザインを導き出す。

パンフレットや広告、出版物などの印刷媒体をはじめ、ロゴマークやシンボルマーク、商品パッケージ、Webサイトなどを対象に、写真や文字、イラスト、色彩などの視覚要素の配置や組み合わせを工夫し、メッセージや…

詳しくはこちら

実践的な職業能力の開発・向上を目指す、多彩な訓練科目。#102

実践的な職業能力の開発・向上を目指す、多彩な訓練科目。

仕事の現場で求められる知識や技術、技能の習得、能力向上を目的とした職業訓練を行う、東京都立城東職業能力開発センター江戸川校。ものづくり系を中心とする多彩な職業訓練科目を設置し、求職者の職業能力開発や就…

詳しくはこちら
  • はたらくネット
  • ものづくり・匠の技の祭典2025
  • 東京マイスター
  • 技のとびら
  • 東京都職業能力開発協会
  • 中央職業能力開発協会
TOPに戻る
TOPに戻る2