壁・床・天井など、室内空間を美しく仕上げ、暮らしや生活環境の美観・快適性を担う内装工。建築・リフォーム分野において欠くことのできない職種である内装工として活躍する、有限会社インテリア イイジマの齋藤颯さんにお話を伺いました。
現場を任され、充実の毎日
高校生の頃、父が仕事をしていたハウスクリーニングの現場で、内装やクロス張りの仕事を見る機会があり、興味を持ったのがきっかけです。高校卒業後、城東職業能力開発センターに通い、そこで今の社長と出会い、内装工として就職することになりました。現在、マンションや戸建住宅の壁紙の施工・張り替えを主に担当していますが、店舗やホテルなどの施設を扱うこともあります。この仕事は、まず作業手順や段取りを覚え、そこから先輩に同行して現場経験を積み、ひと通りの作業ができるようになるまでに5年くらいかかります。
7年目を迎え、今は一人で現場を任せてもらう機会も多くなり、充実した毎日を送っています。
段取りに感じる、自身の成長
現場では、作業にかけられる時間を期日から割り出し、人数と分担を決めます。作業量が多ければ、複数名で数日かける場合もありますが、壁一面の張り替えなどは、一人で担当します。内装工の仕事は、決められた期間に、丁寧かつスピーディーに仕上げることが求められます。急いで作業が雑になってもいけないし、時間をかけすぎて間に合わなくてもいけないので、その加減が難しいところです。全体を見通して、期日までの工程を逆算しながら、段取りを組めるようになったのは、成長した点だと思います。
目線の高さに、気を配る
作業で最も気を配るのは、人目につきやすい目線の高さ。特に柄物の材料は、張り合わせた箇所の柄がずれていると見栄えが悪いので、柄の合わせについては慎重に作業します。大胆に張るところと細部に手をかける箇所の緩急の加減に経験の差が出ます。
作業で大切なのは、できるだけ無駄のない動きをすること。きれいに仕上げるのはもちろんですが、動作の無駄を省き、効率的な動きを考えながら作業を進めていきます。美しく、しかも全体のクオリティを保ちながら、手早くきれいに仕上げるのは、案外難しいものです。
受け継いだものを、自分流に
最近は一緒に現場に行く機会が少なくなりましたが、社長は初めての材料でも平気で張ってしまうし、材料と手法に関する知識の幅が広く、経験知の違いを実感します。現場では、いろいろな職人さんと一緒になりますが、それぞれやり方が違うので勉強になるし、面白そうな方法があれば試してみて、取り入れることもあります。先輩から学んで受け継いだ方法でも、細かい手順を変えたり、効率の良い方法を試したりしながら、自分なりにやり方を工夫します。ここ数年で、自分の仕事に自信が持てるようになってきました。
仕上がった時の達成感が魅力
内装は、いわば室内空間の総仕上げ。仕上がりの美しさが、建物内の雰囲気や印象に影響します。お客様が在宅の現場は緊張しますが、その分、仕上がった時の達成感も大きく、やりがいになります。仕上がりにご満足いただき、笑顔で「ありがとうございました」と声をかけられるとうれしいし、よかったなと思います。
今後は1級表装技能士の国家資格を取得し、将来の独立を目指して頑張りたいと思います。資格取得は、年1回のチャンス。しっかり練習しないと取れないので、日々の仕事と練習を両立させながら、合格を目指したいと思います。大変なこともありますが、自分の身体と技能を使って仕事をするのは楽しいし、やりがいの大きい仕事だと思います。
細かい補修の決め技?
壁紙の継ぎ目が劣化などでめくれている場合、注射器を使って、内側に糊を注入して収めることがあります。空のペットボトルなどに水と糊を入れ、よく溶かして薄めた液体を、注射器に入れて細かい補修に利用します。かなりの頻度で使うそうで、注射器は、内装工にとって必携の道具です。
社名 | 有限会社インテリア イイジマ |
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本社所在地 | 東京都江戸川区興宮町26-1 |
連絡先 | 03-3653-9898 |
主な業務内容 | インテリア工事、天井仕上げ工事、壁張り工事、 内装間仕切り工事、床仕上工事、床工事など、内装仕上工事業を行う |
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