女性向けの衣服(レディースウェア)の企画・デザインから、パターン(型紙)作成、生地の裁断、縫製、仕上げまでの一連の工程を担い、製品化する仕事が、婦人服製造です。唯一無二の独創的な作品づくりで、すべての工程を一人で手がけているJ-treeのJINさんに服づくりについてお話を伺いました。
自作のファッションスタイル
ものづくりを楽しんで
幼い頃から手を使ってものづくりをするのが好きでした。ブロックやプラレールに夢中になり、小学生の時には、家族旅行で訪れたドイツの街並みと夢で見た風景をもとに和紙で「夢の街並み」という紙工作を半年かけて創作しました。11歳から習った木工では、釘を使わない継手(つぎて)という木組みの技術でテーブルや椅子、宝石箱などの木工作品を手がけるなど、ものづくりをいろいろ楽しんでいました。15歳の時に洋裁と出会い、Tシャツに手縫いでアレンジを始めたのがきっかけで、自分でつくった服を着て楽しむことに目覚め、本格的に洋裁を習い始めました。
パターン(型紙)を起こす
すべての工程を一人で
服づくりに関する基本的な知識や技術は、洋裁教室に通い、自分の作りたいものを先生に相談しながら、一から習いました。先生はパターンを得意とする方で、いろいろなことを教わりました。デザインを考え、パターン(型紙)を起こし、素材を選び、裁断・縫製まで、すべての工程を一人で担います。絵が描けてデザインができても、実際に人が着る服として仕上げるためには、スタイルを良く見せるためのライン、着心地を考え、細部までこだわりながら、立体的に作り込んでいく必要があります。
裁断
エレガント・ロックな世界観を表現
10代で着物や帯の美しさに魅了され、日本人として日本文化をアピールしたいと考え、伝統文化から受けるインスピレーションで、古い着物や帯を素材として生かし、新しい服として命を吹き込む服づくりを手がけるようになりました。その後、24歳の頃に革と出会い、通常なら廃棄されてしまうような穴やキズのあるものも素材として生かし、着物や帯といった和のテイストとハードな革素材を融合した作品を手がけています。“稲妻に打たれたような強烈な印象と優美さの共存”をテーマに、自身が好きなハードなロックのイメージとエレガントな装いを融合した「エレガント・ロックな世界観」を追求し、使い勝手や機能性など、細部にまでこだわった服づくりを目指しています。
ミシンがけ
革に魅せられて
革は一度、針を通してしまうとやり直しできません。デザインを決め、パターンを起こし、型紙を作ったら、まずシーチングという薄い平織りの生地で試作します。細かいサイズ調整を経て、完璧なスタイルを作り上げてから、革素材を使って作品の実製作に入ります。カットし、丁寧にすき、叩き、縫い合わせ、手で革と対話しながら作り上げていきます。革素材はすべてが一点モノ。同じ色でも、それぞれの素材によって表情も厚みもまったく異なります。革は命の恵みであり、余すことなくすべて使い切ります。長く付き合っていただくことで、素材の味わいや風合いが深まり、さらに愛着が増していく、そんなサステナブルな作品を目指しています。
シーチングで試作
挑戦の可能性は、無限
作品づくりでは、絵画やアニメ、建築など、日常の中で出会うものから受けたインスピレーションを手掛かりに、自分にしかできないオリジナルの表現を追求します。表現したいものを作品にし、それを着て楽しむ。さらに、人に着て喜んでもらえる。ものづくりは、自分の自信にもつながっています。思わず振り返って見つめたくなるようなデザインの服で、着た人が自由な気持ちになって楽しんでもらえれば、それが何より。技術を高めることが楽しみや喜びにつながり、挑戦も無限です。作りたいものはまだまだたくさんあり、人が着ることができて、さらにアート作品として成立するようなものも手がけてみたいと思います。来年は、第11回国際アビリンピック(フィンランド・ヘルシンキ大会)への出場も控えているので、丁寧に経験と練習を積み、金メダルを目指したいと思います。
国際アビリンピックとは?
障害のある人たちが、日頃培った職業技能を競い合う国際大会。1981(昭和56)年の「国際障害者年」を記念して、日本の提案により、東京で第1回大会が開催された。第2回のコロンビア大会で継続的に開催していくための国際組織の設立が提案され、第3回香港大会で国際アビリンピック連合(IAF)が正式に発足、以降、ほぼ4年ごとに開催。日本からは、全国アビリンピックの成績優秀者等が技能競技選手として派遣される。
▼第11回国際アビリンピック(フィンランド ヘルシンキ大会)
開催国:フィンランド共和国(ヘルシンキ市)
開催時期:2027年5月10日から13日(予定)
会場:メスケスクス ヘルシンキ エクスポ アンド コンベンションセンター
開催種目数:43種目
自転車のタイヤや部品を使った、サステナブルな作品!?
20代後半からロードバイクを始め、気分転換で遠出することもあります。好きな自転車をファッションで表現できないかと考え、使えなくなった自転車のタイヤとタイヤ内のチューブを利用したサステナブルな作品をコンクールに出展しました。今後の課題は、タイヤやチューブの質感を生かして表現しつつ、服全体が重くなり過ぎないように工夫することです。
| 企業名 | J-tree |
|---|---|
| ホームページ | J-treeのHPへ |
#TOKYOものづくり部


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