2026年8月1〜2日の2日間、富山県で開催された、「第21回若年者ものづくり競技大会」。フライス盤の競技職種に初挑戦した東京都立中央・城北職業能力開発センター板橋校の2年生・清水啓佑さんと指導員の二宮佑紀先生に、大会当日の様子や競技の結果、今回の経験を通じて学んだことなどについて伺ったので紹介するね。
東京都立中央・城北職業能力開発センター板橋校
機械加工科/清水 啓佑さん
求められる正確な操作と精度
フライス盤は、回転する刃(フライス)に固定した四角い形状のワーク(加工物)を当て、平面や溝を削る加工機械。わずかな力加減でも連鎖的にズレが生じてしまうところに難しさがあるんだ。
「今年の競技課題は、2つの部品で構成され、中央部にポケット(穴)があるため、四隅をきっちり測定して合わせ、凸部分をピッタリはめ込む必要があります。正確な加工とスピードが求められる、とても難度の高い作業になります。」
競技は3時間。それを超えると、超過時間に応じて減点が生じ、最大3時間半で打ち切り。この間に提出できなければ、失格になるんだ。厳しい闘いになりそうだね。
ワクワクで、会場入り
大会前日から、準備のために泊まりがけで富山入りした、清水さん。
「なかなかできない経験にワクワクしました。大会当日は、会場が大勢の人で溢れかえり、最初は緊張しましたが、周りの選手と透明なアクリル板で仕切られていたので、余計なことを考えずに集中できました。」
競技開始前の90分間は、使用するフライス盤の試し削りの時間。
「実際に試用の材料を使って刃の状態、機械の操作方法やクセ等を確認します。」
そして、いよいよ競技スタート。加工は順調に進んだけれど、最終の組立段階に入ったところで、思わぬミスが発覚。
「10秒ほど、頭の中が真っ白になりました。」
一体、清水さんに何が起こったのだろう?
大会当日に製作した競技課題
諦めずにやり切った意味
測定でミスしたため、ポケットの位置がわずかにずれて、加工した2つの部品がぴったりはまらなかったんだ。
「最初、何が起きたのかわからず、焦りました。しかし、気を取り直して、残りの時間で何とか立て直す方法はないかを考え、そこから挽回のための作業に集中しました。」
競技の採点は、完成物に加え、作業プロセスも評価対象。段取り、道具や機械の扱い方、作業場が整理整頓されているかどうかも含めた総合評価なんだ。
「落ち着いて作業していれば、気づけたミス。入賞できたかもしれないと思えるくらい調子が良かったので、悔しさはあります。でも、最後まで諦めずに自分の力でやり切れたことは、大きな意味があったと思います。大会全体を通じて多くのことを経験し、なにより自分自身の学びと成長を実感できました。今後は、就職に向けて、技能検定にも挑戦しようと考えています。磨いた技術を活かし、自分なりに工夫して高精度な製品づくりに携われるような職人を目指したいと思っています。」
中央・城北職業能力開発センター板橋校
機械加工科/二宮 佑紀先生
精神的な成長機会として
競技中の清水さんの様子を二宮先生に伺ったよ。
「確かに10秒くらいフリーズしていましたが、そこから自分で対策を考え、最後の30分で立て直しました。以前だったら、失敗に気づいた段階で「もういいです」と諦めていたと思います。でも、そうしなかった。その姿を見て、精神的な成長を実感し、出場した甲斐があったと心から思いました。」
フライス盤の魅力とは
フライス盤は、刃物を回して削ることで立体的な形状をつくることができる加工機械。加工した部品を組み合わせることで構造物が作れるんだって。
「部品同士がぴったりと組み合わさった瞬間の、何ともいえない達成感は、格別です。それを実感できるのがフライス盤の面白さであり、魅力。機械加工科では、旋盤やフライス盤をはじめ、マシニングセンタ、NC旋盤、ワイヤ放電加工機、平面研削盤、溶接機など、加工機械全般の知識・技能を身につけられるので、ものづくり本来の面白さが実感できると思います。」
若年者ものづくり競技大会は、全国から優れた技能を持つ若者が集まり、競い合う場。みんな、この日のために知識と技術を磨き上げてきたんだね。結果はそれぞれだけど、それまでに磨いた技能と培った経験は、何ものにも代え難い宝。いつか、確かな技能として大きく花開く日が来ると思うよ。

| 学校名 | 東京都立中央・城北職業能力開発センター板橋校 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都板橋区舟渡2-2-1 |
| 連絡先 | TEL:03-3966-4131 |
| ホームページ | 東京都立中央・城北職業能力開発センター板橋校のHPへ |
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