2021年12月17日(金)〜20日(月)、青年技能者たちが技能レベルの日本一を競う「Tokyo技能五輪・アビリンピック2021」が東京ビッグサイトをメインとする全14会場で行われ、オンラインでも同時配信されたよ。全国から選抜された42職種(機械系、金属系、建設・建築系、電子技術系、情報通信系、サービス・ファッション系)の競技者たちによる技能五輪全国大会の現場を、前回に引き続きマスコットキャラクターの「わざねこ」がリポート!大会の様子を撮影した写真とともに、次世代の日本を担う青年たちの技能や競技の内容を紹介するよ。
1/100mmレベルの技術を競う緊張感に圧倒
12月19日(日)、この日最初にわざねこが訪れたのは時計修理職種の会場だよ。この競技は、クオーツ式と機械式の時計、それぞれの不具合を発見し、修理して完成させるというもの。「巻真」と呼ばれるとても小さなパーツをその場で手作りする課題もあり、1/100mmレベルの精巧な構造や技術に圧倒されたよ。各自のデスクの上には顕微鏡が設置されていて、のぞき込みながら作業する姿からはもの凄い緊張感を感じたんだ。
選手たちは、思いを込めた必勝祈願の寄せ書き入り横断幕や応援ボードなどをデスクの横に掲げ、意気込みも情熱も満点!
こういう技術を身につけた職人さんたちがいるからこそ、長年にわたって大切な時計を愛用することができるんだね。わざねこも勉強になったよ!
高級素材を無駄なく正確に加工し、美しいジュエリーに
次に訪れたのは、宝飾品を手がける貴金属装身具職種。与えられた18金素材(板材、丸線材、角線材、2種類の金ろう材)を使って、ペンダントヘッドなどの宝石を載せる台座をつくり、そのデザイン性や仕上がりの美しさを追求する競技だよ。材料の切り出し、やすり掛け、ろう付け、表面の仕上げまで、美しさはもちろん迅速・丁寧な作業が求められるんだ。素材を溶かすための火や多種多様な道具を使いこなす指先の技術は、まさに職人だね。
高級素材を扱う仕事だけに、残った材料(手・指に付着した粉末なども含む)を最後に計量し、基準よりも材料を消耗した場合には、量に応じて減点の対象になるという厳格さ。会場の張り詰めた独特の空気や、競技姿勢の凜々しさが印象的だったよ。
選手の個性と感性で、花々に十人十色の美が宿る
支給された草花と資材を使って、花束やブライダルブーケ、ブートニア、アレンジメントなどを制作するのがフラワー装飾職種。アイデアや独創性、色彩感覚をカタチにする技術を競い合うんだ。課題が当日発表される「サプライズ競技」もあり、その場の対応力を発揮して目を見張る作品を構築していく選手の姿にとても感動したよ。
植物という生物を扱うプロとして、花に新たな命と輝きを吹き込むようなセンスや手さばきはお見事。50名近い選手たちが同じ条件・同じ花材で競い合っているのに、作品の色や形・デザインが多種多様で、同じような作品がないことに驚かされたよ。
大熱戦で幕を閉じた今大会
東京都選出の選手も大活躍
そして2021年12月20日(月)9時30分、閉会式がオンラインで行われたんだ。大会主催者からのメッセージの後、いよいよ全ての競技の成績発表。東京都の選手は24職種に67名が出場し、金賞6名、銀賞3名、銅賞5名、敢闘賞9名と大活躍だったよ。
その中には、過去にものづくり部特集記事で取り上げた向井建設(株)の小山空我さん(金賞)、ヒコ・みづのジュエリーカレッジの松村大梧さん(銀賞)と岡村乙未さん(銅賞)、東京テクノ・ホルティ園芸専門学校の乾瞬大さん(敢闘賞)たちのお名前も!
最後は大会会長である東京都知事により、選手たちの健闘がたたえられ、終幕。大会の熱戦を振り返る競技映像からも、選手たちの素晴らしい技術や情熱が伝わり、感動的なフィナーレとなったんだ。来年の大会も楽しみだね!