道路の路面に示された文字や記号、白線などの交通標示の施工を手がけ、人や車の交通の安全・安心に貢献する路面標示施工の仕事について、双葉ライン株式会社の江偉康さんにお話を伺いました。
建築現場から道路へ
もともと鳶職人として建築現場で仕事をしていましたが、偶然、道路でライン施工をしている様子を見て面白そうだと思い、転職を決意、当社に入社して2年目になります。路面標示施工は、道路に記されている車道中央線や車道外側線、横断歩道、停止線などの標示の施工工事を行う仕事です。現場では、まずチョークの粉をつけた糸を弾いて線を引き、黒で目印にする「墨出し」を行います。目印となる文字の形を下書きし、その上にプライマーという接着剤を塗ります。プライマーは路面を樹脂で覆い、塗料のなじみを良くして接着を強化するものです。この上に、施工機を使って路面標示用の白い塗料で文字やラインを引いていきます。現場作業は、3人一組が基本で、墨出しを2人が担当し、もう1人が施工機の操作をします。
経験は、スピードと仕上がりに表れる
入社して半年程、現場を経験して流れを理解し、作業がイメージできるようになりました。一通り作業を覚えましたが、先輩と比べると時間はかかるし、仕上げもまだまだです。経験の差は、スピードと仕上がりに表れます。舗装されたきれいな路面に施工するので、間違えたり、材料をこぼしたりしないよう、慎重な作業が求められます。火やガスなどの危険物を扱う仕事でもあるので、細心の注意を払いながら、特に片側通行で作業を行う場合は、車の往来にも気を配る必要があります。
真っ直ぐが、いちばん難しい
施工機の操作には技能が求められます。文字やラインは毎回、同じように引けるわけではなく、路面の状態、その日の体調や気分によっても仕上がりは変わります。路面状況をよく見極めながら、丁寧に作業を進めます。いちばん難しいのは、真っ直ぐにラインを引くことです。路面は一律ではなく、常に平らとは限りません。ただ直線を引くだけでも、ちょっとした加減で曲がったり、ずれたりするため、集中力が必要です。経験知が求められる仕事で、やればやるほど奥の深さを実感します。
自らの技能で、安全・安心を支える
この仕事はやりがいがあって、毎日楽しいです。自分の手がけた横断歩道をいろいろな人が利用しているのを目にすると、とても誇らしく感じ、幸せな気分になります。街に自分の引いた路面標示が一つずつ増えるのは、思い出の場所が増えていくような感覚です。自分の技能で、みんなの安全・安心を支えるという意味でも、社会的な役割や意義が大きく、社会貢献している実感が持てるところが、この仕事の魅力だと思います。
目標は、現場を取りまとめる班長
今後の目標としては、まず路面標示施工技能士の免許を取得することです。受験資格の取得には、原則3年の実務経験が必要であるため、日々現場をこなし、しっかり経験を積んだ上で挑戦したいと思います。その次は、班長になることです。現場を取りまとめ、作業全体の流れを指示し、施工の要となる墨出しを行うのも、班長の役目です。技能と経験が求められるポジションなので、先輩たちを見習いながら、現場を引っ張っていけるような頼もしい存在になりたいと思います。
ダイヤマークは、何の標示?
横断歩道の手前でダイヤ型の標示を見かけたことはありませんか?これは、この先に信号機のない横断歩道または自転車横断帯があるという事前予告の標示です。信号機のない横断歩道の手前50m以内に必ず2つ設置されています。ダイヤマークが現れたら、ドライバーは歩行者に注意して、すぐ停止できるよう備えること等が必要です。
社名 | 双葉ライン株式会社 |
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本社所在地 | 東京都葛飾区西水元3丁目9番16号 |
TEL | 03-3608-9191 |
主な業務内容 | 道路区画線・道路標識・薄層カラー舗装・安全施設設計施工 |
ホームページ | 双葉ライン株式会社のホームページへ |