建設工事の現場でフォークリフトやクレーン車、ブルドーザーといった大型の機械を操作する、重機オペレーター。建物や道路などの構造物をつくるのに適した地盤を造成するための地盤改良を手がける、株式会社不動テトラの比嘉清貴さんに重機オペレーターの仕事について伺いました。
働く機械の世界へ
就活の際に、高校の進路担当の先生から紹介されたのが、この世界に入ったきっかけです。いろいろ調べるうちに、幼い頃に憧れていた働く機械の絵本のことを思い出し、地盤改良と重機オペレーターの仕事に魅力を感じ、今の会社に入りました。入社後、車両による整地や基礎工事に関する技能講習を受けて資格を取得。その後、地盤改良機本体の組立・解体作業、タイヤショベルのオペレーターとして現場で経験を積みながら、機械の構造やメンテナンス技術を習得し、入社5年目以降は、地盤改良機本体のオペレーターとして現場作業に従事しています。
大きさに、衝撃
現場で使用するのは主に、砂をすくって地盤改良機に供給するタイヤショベル、掘削を行うバックホウ、地盤に改良を加えて強固にする地盤改良機の3種類の重機です。複雑な操作が求められるこれらの重機を自在に操り、安全かつ効率よく動かしながら、地盤改良の品質目標達成に向けて作業を進めます。初めて地盤改良の現場に赴任し、重機が稼働する様子を目にした時は、そのスケールの大きさに衝撃を受けました。この機械を本当に操作できるようになるのか、驚きと不安を感じたのを覚えています。
安全第一
現在は現場の作業指揮者として、地盤改良機の組立作業や施工全般の管理、そして、現場経験の浅い若手に対して、無線機等で声がけをしながら、作業指示やアドバイスを行っています。地盤改良機の動きに合わせて、タイヤショベルとバックホウのオペレーターそれぞれに指示を出しますが、複数の重機が近接して稼働するため、事故にならないよう、オペレーター同士の連携を図りながら、安全第一を心がけています。現場ではチームワークとコミュニケーションが大切で、作業所一体となってフォローし合える環境づくりに努めています。
現場に応じて求められる、対応力
地盤の種類や地層の形状、使う材料によって、同じ工法でもさまざまなバリエーションがあります。足場の状態によっても、柔らかい地盤ならば沈むし、固ければ整地の際に削りにくいので、現場の状況を見極めて対応することが求められます。機械の自動化や会社が開発した新工法も随時取り入れていくので、新しいことに向き合いながら、常に自身の知識や技能をバージョンアップし、対応する力を身につけていかなければなりません。
安心・安全に貢献する仕事として
地盤改良は、一般の人の目に触れることのない地道な仕事ですが、減災・防災・インフラ整備など、安心・安全な国土づくりを担う大きな責任があります。自分が仕事を通じて国土強靭化、災害に強い国土づくり、道路・堤防・港湾などのインフラ整備に貢献できること、災害復旧工事によって被災した人たちの役に立てることは、強いモチベーションになっています。今後は、未経験の工法にも積極的に取り組みながら、地盤改良機オペレーターとしての技術や技能、専門知識にさらに磨きをかけ、安心・安全な国土づくりに貢献していきたいと思います。
活躍の舞台は、海外まで
仕事は国内だけでなく、地盤改良を必要とする現場があれば、海外にも出向きます。これまでフィリピンとバングラデシュに行った経験があります。現地で一緒に仕事をする人も、世界中から集まってくるので、さまざまな地域の人・文化と触れ合い、国を越えて仲間ができる楽しさがあります。海外出張の際は、3カ月に1度、1週間程の一時帰国休暇がありますが、フィリピンの時は、コロナ禍だったので渡航制限があり、1年以上滞在しました。出張では、それぞれのご当地グルメが食べられるのも楽しみの一つです。
社名 | 株式会社不動テトラ |
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本社所在地 | 東京都中央区日本橋小網町7番2号 ぺんてるビル |
TEL | 03-5644-8500 |
主な業務内容 | 土木事業、地盤事業、ブロック環境事業を手掛ける土木系のゼネコン |
ホームページ | 株式会社不動テトラのHPへ |