2024年7月、東京都立中央・城北職業能力開発センター しごとセンター校内(東京しごとセンター10F/11F/12F)のロビーエリアに、キャリア・コンパス・センターが新たにオープンしたよ。都立職業能力開発センターで実施する職業訓練の魅力を発信する情報拠点として、いろいろな分野の職業訓練が体験できるんだ。わざねこが4科目の職業訓練体験と8科目のプチ体験をしてきたから、リポートするね。
キャリア・コンパス・センターとは
キャリア・コンパス・センターは、職業訓練の魅力を発信する情報拠点として、体験を通じて、どのような分野の職業訓練があるのかを知っていただくための施設です。2024年4月にしごとセンター校を開校、7月から体験できるようになりました。10Fフロアでは、都の職業訓練校14校で実施されている科目を8つの分野に分けて紹介する「プチ体験8科目」に加え、VRヘッドマウントディスプレイによるリアルな体験映像を交えながら、職業訓練が体感できます。11Fには、木造家屋をリアルに再現した模擬家屋を設置し、この設備を活用した体験プログラムとして、内装施工、ビルメンテナンス技術、生活サポートなど、しごとセンター校の科目に関連する職業訓練が体験できます。12Fは、実際の職業訓練で作成した生徒作品を各校から預かって定期的に展示しています。なかなか実際に触れる機会のない職種の職業訓練を体験できる点が、この施設のメリットです。自身の興味や将来の方向性を探す上で、発見や気づきにもつながります。求職者や転職者向けのセミナーなども開催しており、若い人から高齢の方まで幅広い世代に対応した施設となっています。
左上:ファッション系科目
右上:建築系科目
下:印刷系科目
プチ体験で、8つの職業訓練を体感!
最初に訪れたのは、10Fフロアの職業訓練プチ体験8科目。①印刷系科目、②施設管理・清掃系科目、③介護・福祉系科目、④ファッション系科目、⑤電気系科目、⑥建築系科目、⑦機械系科目、⑧情報系科目の8カテゴリーの職業訓練が、それぞれ20分程の時間で、誰でも予約なしで体験できるんだ。印刷系科目は、デザインソフトを使ったポストカードの制作。家庭用プリンタとプロの機材との発色の違いや色の仕組みなど、印刷の仕事の実際を体験できるよ。介護福祉系科目は、つかみやすい箸やスプーンなどの介護福祉用具の使い方を体験。婦人服の企画製造に携わる販売会社などへの就職につながるファッション系科目は、型紙を使ったアパレルパタンナー体験ができるよ。電気系科目の発電・電気工事士体験では、電気の仕組みの解説や、工事用具を実際に腰に巻けるんだ。建築系科目は、樹木の吊り上げや竹垣の結束などで使われるロープの基本を教わるロープワークと小さな箱庭みたいなミニ庭園づくりを通じて、造園施工の仕事がイメージできるよ。
わざねこ、VR初体験!
今回、わざねこが体験したのは、クリーンスタッフ養成科と3DCAD・CAM実践科のプチ体験と、職業訓練体験VRコーナーだよ。施設管理・清掃系科目のクリーンスタッフ養成科では、カーペットのシミ取りを体験。厚手のグローブを着用し、カーペットに付着した墨汁に専用クリーナーを吹きかけ、上から別布を押し当てながら、布に汚れを丁寧にうつし取るようにするよ。繰り返し押し当てていると、シミがだんだん薄くなって、最後はきれいに消えたよ。
機械系科目の3DCAD・CAM実践科のブースでは、3Dプリンタ活用体験に挑戦。金型設計、マシニングのオペレータ、自動車整備など幅広い職種に対応する科で、ブースでは3DCAD(モデリングソフト)の技術を使い、最新型の3Dプリンタでキーホルダーになる文字を出力。立体的なキーホルダーのカタチがだんだんでき上がっていく様子は、なんだかワクワクするね!ものづくりの面白さが実感できたよ。 職業訓練体験VRコーナーでは、溶接の授業を体験したよ。わざねこは、VR初体験!ヘッドマウントディスプレイを装着して授業開始。現場での注意事項の説明から始まって、実際に溶接する実習まで、現場の空間を見渡すことができるので、臨場感たっぷり。溶接の火花が飛び散る様子も、バーチャルなのにすごくリアル。実際に職業訓練を受けている気分になったよ。VR体験ができる科目は今後、増えていくんだって。楽しみだね。
模擬家屋で、職業訓練体験!
11Fのフロアに設置されている模擬家屋は、壁や天井、配管の様子など、木造家屋がリアルに再現されているよ。実際の家屋と同様の構造を用いて、内装工、ビルメンテナンス、生活サポートに関する職業訓練が体験できるんだ。あらかじめ予約が必要で、時間は約40〜60分。例えば内装施工科の訓練体験は、電動工具や大工道具の使い方をはじめ、壁紙張りやフローリング張り、石膏ボードの壁穴補修、障子の張り替えなど、いろいろな職域が体験できるんだ。今回、わざねこは、壁紙張り、電気コンセント工事、車椅子を使った移動体験にトライしたよ。
壁紙張りのコツとは
内装施工科の体験では、壁紙張りのコツを教わったよ。張った壁紙を壁際でカットする際、ステンレス製のヘラを当てて、壁紙の切れ端が少しめくれ上がるくらいのところをカッターで切るよ。ギリギリで切ってしまうと、壁紙が収縮した時にきれいに収まらないことがあるんだ。左手のヘラで押さえながら、カッターの刃を立ててまっすぐに切るのは、簡単そうで、なかなか難しかったよ。
コンセントの仕組み
次は、ビルメンテナンス技術科の体験で、壁の電気コンセントの仕組みと外し方を教わったよ。通電していると危険だから、まず分電盤の電源回路ブレーカーをオフに。コンセント前面のフェイスプレートを外し、ベース部分のネジを取り外すと、コンセント本体が外れて、壁の裏が見えるようになるんだ。中を覗くと裏側の埋め込みスイッチボックスが見えるよ。こうしたコンセントの工事は、電気工事士の資格が必要なんだ。体験では、電動工具の使い方も教わったよ。壁裏のコンセント内部の構造を見ることができたのは、興味深かったよ。
高齢者体験と移動介助
最後は、生活サポート科の高齢者体験と車椅子の移動介助。高齢者体験では、手足の重り、特殊眼鏡、ヘッドフォンなど擬似装具を着けて、加齢による身体変化や日常動作を体験したよ。若くて健康な時には想像できないようなことが加齢とともに起こるんだね。
車椅子の移動介助では、段差のある屋内へ車椅子を運び入れる際のコツを教わったよ。車椅子を段差にのせる場合は、介助者が支えながら、前輪を上げるよ。あまり角度が急になると、乗っている人が怖いので、上げ過ぎ注意。前輪が段差の上に乗ったら、大きい車輪を段差にしっかり密着させて、介助者が自分の体重を利用して押し上げていくんだ。手の力で持ち上げると介助者の負荷が大きいし、左右にブレて不安定になるから、身体を使って押し上げるのがコツ。このように介護の仕事の実際が体験できるのは、とても貴重な機会だね。
各職業訓練校の生徒が制作した作品を定期的に展示
まずは体験してみよう!
キャリア・コンパス・センターは、東京都の職業訓練校である都立職業能力開発センターの情報が集約されているサテライト的施設。ここを訪問すれば、自分の興味のある分野や科目を探したり、将来の職業イメージをつかんだりすることができるよ。プチ体験で面白そうな分野を見つけて、関連する職業訓練科目について調べてみるのもいいね。そういうきっかけにもなるので、気軽に行ってみてほしいな。
施設名 | キャリア・コンパス・センター |
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所在地 | 東京都千代田区飯田橋3-10-3東京しごとセンター(10~12階) |
連絡先 | TEL:070-6484-7878 (コンシェルジュ直通) |
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