職人塾で体感!ものづくりのプロの世界 catch
#19

職人塾レポート

職人塾で体感!ものづくりのプロの世界

リポーター わざねこ
ものづくり部 部長

みんなの毎日の暮らしは、衣服や家具、建物など、ものづくりの職人が作ったものに囲まれているよね。いつも出来上がったものばかりを見ているけれど、どのように作られているんだろう?実際の様子は中々見られないよね。そんなものづくりの裏側を、「職人塾」に参加すれば覗くことが出来るんだ!ものづくり職人の技をオンラインや現地で見られる上に、直接職人さんたちから指導を受けることもできるんだって!今回は、この「職人塾」の様子をお届けするね!

「職人塾」って何?

職人塾は、「高度な技能を持つ職人が活躍している現場を見学して、希望者には体験実習を通じてものづくりのすばらしさを知ってもらう」という事業で、34歳以下の現在仕事についていない方・臨時的な職についている方が参加できるよ。平成17年に始まって、今までに約1,200人が参加し、実際に実習先の職種に就職した人もいるんだ。

参加費用はなんと無料!*
「自分も技能を身に着けて立派な職人になりたい!でも、どんな職種があってどんなことをやっているんだろう?」と思っている若い方々におすすめだよ。
* 交通費等は自己負担。

職人塾

「オンライン見学会」での職人の手さばきは必見!

今年の見学会はオンラインで開催されたよ!職人の技や作業現場を見ることが出来るなんて、うれしいよね。
美しく精巧な「もの」を生み出す職人の手さばきは必見!直接質問もできるから職人のホンネも聞くことが出来たよ。今年度は8職種が対象だったんだ。

【オンライン見学会職種(8職種)】
和裁・洋裁・いす張り・江戸表具・手描友禅・江戸指物・伊勢型紙・貴金属装身具

今回の記事では、「手描友禅」「江戸指物」の2職種のオンライン見学会をリポートするね!

手描友禅

「手描友禅」

手描友禅とは、季節ごとの景色や植物などの絵柄を絹織物に染め込んだ、日本の代表的な着物だよ。染め込むときは、小さな刷毛や筆を使って、一筆一筆丁寧に手作業で色を挿すんだ!手描友禅の作業工程は、寸法取りや絵柄を考案していくことから始まって、完成までに「下絵、糸目、彩色、水洗い」など幾つもの工程があるんだ。
オンライン見学会では、親方とお弟子さんが彩色の実演をしていて、鮮やかな生地が印象的だったよ。
質疑応答の時間では、参加者からの「この職種で一番大切なことは何ですか」という質問に対して、「絵が好きなことが一番大切」と答えてくれたよ。普段なかなか聞けないようなものづくりの話を聞けることも、職人塾の良い所だね。

江戸指物

「江戸指物」

指物とは、釘を使わずに組み立てられた木製家具のことだよ。組み立てる際に、木に溝を彫って板と板を「さし合わせる」ことから、指物と言われているんだ。この技能は、タンスや机、椅子など、色々な家具に使われているよ。
東京の伝統工芸品である江戸指物も、金釘を一本も使わず板と棒を組み合わせるだけで仕上げているんだ。他の地域の物に比べて、木材同士の継ぎ目が隠されていたり、頑丈な作りになったりしていて、江戸の心意気が感じられるものになっているよ。
オンライン見学会では、職人にとってとても大切な「道具」や「材料」の説明、そして各作業工程を教えてくれたよ。他にも、過去の職人塾に参加した実習生の方の作品を紹介しながら、当時の思い出を話してくれたよ。

「職場体験実習」で職人の技に直接触れてみよう!

「オンライン見学会」後、希望者は「職場体験実習」に参加することが出来るんだ。作業現場を個別に見学したうえでのマッチングだから、安心して実習に臨めるよ。
職人技を実際に目にすることができるだけでなく、直接指導やアドバイスも受けられるなんてとっても羨ましい!今年度は20職種が対象だったんだ。

【職場体験実習(20職種)】
手描友禅・江戸指物・伊勢型紙・和裁・洋裁・いす張り・貴金属装身具・江戸表具・印章彫刻・内装仕上げ・畳製作・日本調理・建具製作・造園・糸目友禅・和竿製作・東京染小紋(捺染)・東京三味線・建築大工・江戸木版画

今回の記事では、「伊勢型紙」の職場体験実習をリポート!

伊勢型紙

「伊勢型紙」

伊勢型紙とは、着物・手拭いなどの生地を、友禅模様・小紋柄などに染めるために使われる伝統的な型紙だよ。和紙を台紙として、彫刻刀で絵柄を彫るんだけれど、複雑な柄や多くの色を用いる場合は型紙が何百枚にもなるんだって。
伊勢型紙の魅力は何と言ってもその繊細さ。とても小さな柄からなる江戸小紋を染めるためには、伊勢型紙の職人の緻密な技術が不可欠なんだ。「根気のいる作業が多いので、一人仕事が好きで、自分の仕事に没頭できる人が向いている。」と親方が話してくれて、わざねこも挑戦してみたくなったんだ!

伊勢型紙

今回の体験実習には2名の実習生が参加していて、自分たちが選んだ絵柄を丁寧に彫っていたよ。2人の実習生は、どちらも伝統的な手仕事や職人の技術に憧れがあって、職人塾に応募したとのこと。実習を通じて、絵柄を完成させたときの達成感や、生地を染める段階のことまで考えて彫りを調整する技術の奥深さを経験して、伊勢型紙の魅力があらためて分かったと話していたよ。
実習終了後も、今回学んだ技術を活用して、ゆくゆくはオリジナルの商品も作りたいというお二人。伝統的な技術が継承されていく現場に、とても感動したんだ。

多くの社員が技能士資格取得に挑戦中

職人塾の窓口は東京都職業能力開発協会だよ。
もっと詳しく知りたい、参加したい、と思ったらお気軽に問い合わせしてみてね。

技能検定部 指導課
電話:03-6631-6053(平日8:45~17:30)
ホームページhttp://www.tokyo-vada.or.jp/ginou/workman/index.html

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