結婚式を迎えるカップルがイメージする、世界にたった一つのウエディングケーキ。一生に一度の晴れの舞台を飾るもう一つの主役、ウエディングケーキと日々向き合うアニヴェルセル 表参道のパティシエ長 宇川景子さんに、この道に進んだきっかけ、ケーキづくりの魅力、面白さなどについてお話を伺いました。
大好きなお菓子作りから、パティシエの世界へ
中学の頃からクッキーやパイなどのお菓子作りが大好きでした。高校の時、結婚式場のアルバイトで、街のケーキ屋さんが運んできたウエディングケーキのあまりの美しさに、“つくってみたい!”と思ったのがきっかけです。短大卒業後、専門学校でパティシエの基礎を学び、アニヴェルセルに入社しました。
アニヴェルセル 表参道には結婚式場とカフェがあり、ウエディングケーキとカフェの商品開発責任者を兼務しています。チームで、カフェ用のケーキと週末に向けたウエディングケーキ、デザートビュッフェの仕込みを並行して進めます。カフェのケーキは5種類。1種類で60個以上のオーダーがある日もあり、朝から分刻みでケーキづくりに取り組みます。 チームで大切にしているのは、コミュニケーション。楽しく仕事をすることで、その会話の中から新しいアイデアやヒントが出てくることもあります。何より、そういう楽しい雰囲気がお客様にも伝わると思っています。
おしごと内容
ケーキづくり
一日は、カフェ用のケーキづくりから始まります。それを仕上げたら、イチゴのスライス、オレンジのカルチェなど、翌日分の仕込みをチームで手分けして進めます。
新商品開発
カフェ用のケーキ開発では、いろいろな味の組み合わせを自分の中でイメージしながら、一つのケーキに組み上げ、試作します。
打ち合わせ
ご新郎ご新婦が思い描くウエディングケーキのイメージをプランナーと共有し、本番に向けてブラッシュアップします。
お客様の一言で、また頑張れる
ケーキづくりでは、基本が大切。毎回しっかり味見し、考え抜いた上で、納得できるものを出します。自分の舌がちょっとでも“?”と感じたら、微妙な味にしかなりません。砂糖1gでも味が変化し、わずかな分量差が生地の仕上がりを左右し、ゼラチン一つがムースの滑らかさに影響します。だからこそ計量は緻密に、味見をしっかりする。サイズが大きいウエディングケーキでは、ちょうどよい味に仕上げても、小さくカットすることで味が変わるので、全体の味の構成やバランス、クリームの柔らかさ、スポンジ生地の焼き加減など、細部に気を配る必要があります。ケーキづくりは、とても繊細。学んできたこと、失敗したことをどう生かすか、どうすれば良くなるかを常に考えながら、日々ケーキと向き合います。パティシエとしては、まだまだ。でも、お客様の“美味しかったよ”という一言で報われ、また頑張ろうと思えます。
ゴールがない世界
たくさん失敗したことで、自分の中の引き出しが増え、以前、商品開発で上手くいかなかったことも、“今回はこれを試そう”と考えて工夫する力がつきました。美味しいものだけでは、味はまとまらないもの。オレンジやレモンの皮など、わずかに苦味を加えることで甘さが引き立ち、口の中で程よい美味しさになります。大切なのは、組み合わせ。同じケーキも、香りや食感が変われば、新しい美味しさにつながる。そこがケーキづくりの面白さであり、奥深さです。完成したと思っても、その先があり、正解がない。自分の成長と共に味が変わるし、失敗もプラスになる。考え続けることが楽しいし、ゴールがない世界です。探求心や向上心を持つことで、パティシエの仕事はどんどん楽しくなります。自分の発想で次々と新しいことを生み出せるモノづくりには、無限の可能性があると思います。
プロフィール
短大卒業後、エコール辻東京でパティシエとしての基礎を学び、2014年、アニヴェルセルに入社。アニヴェルセル みなとみらい横浜勤務を経て、アニヴェルセル 表参道でパティシエ長を務める。アニヴェルセル・デザートコンクールで2019年優勝、2021年準優勝。
ケーキ店とウエディングのパティシエ、何が違う?
ケーキづくりの基本作業としては同じですが、ウエディングの場合、結婚するおふたりが理想とするイメージを具体的な形にしていきます。常に初めてのものと向き合うため、 パティシエには、豊富な知識と経験、発想力などが求められます。毎回、世界にたった一つのウエディングケーキを作り上げていく作業は大変ですが、それに関わるパティシエたちにとっては楽しく、幸せを感じる仕事でもあります。
社名 | アニヴェルセル株式会社 |
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本社所在地 | 東京都港区北青山3-5-30 |
連絡先 | TEL: 03-5786-1088 |
会社概要 |
結婚式場などを運営する業界大手の企業。東京都港区に本社を置き、 全国10店舗の結婚式場を展開している。 「お客様の人生に寄り添い、 感動を提供し続ける、記念日プロデュース企業となる。」 をビジョンとして掲げている。 |
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