2022年11月4日(金)〜7日(月)、全国から技能者が集まり、各分野の技能レベル日本一を競う「第60回技能五輪全国大会/第42回全国アビリンピック(全国障害者技能競技大会)」が幕張メッセをメイン会場に開催されたよ!今回は、若手技能者たちが熱い闘いを繰り広げた技能五輪全国大会の様子を、わざねこがお伝えするね!
全国の若手技能者が競い合う、頂上決戦!
技能五輪全国大会は、国内のさまざまな職業分野で活躍する青年技能者(原則23歳以下)を対象に開催される競技大会。次代を担う若い技能者たちが競い合うことで技能の向上を図ることを目的としているんだ。今年は千葉県の幕張メッセをメイン会場に、13の会場で開催。機械系、金属系、建設・建築系、電子技術系、情報通信系、サービス・ファッション系など41の競技職種を対象に、各都道府県から選抜された1,014名の選手たちが一堂に介し、磨き上げてきた技能を駆使して闘いを繰り広げたんだ。
繊細な手先の動きから生まれる、美しいヘアスタイル〜理容〜
技術と持ち前の感性を活かし、ハサミとクシで今の時代性を感じるヘアスタイルを創り出していく、理容師。理容は、カットやパーマ、カラー、シェービングを通じて、それぞれの人に似合う髪型を創り出すアーティスティックな仕事なんだ。競技では、ヘアカット&カラーでファッショナブルなスタイルをつくる課題に始まり、競技当日に提示された写真とテイストに合わせたパーマヘア、クラシカルカットによるヘアスタイル、お客様の要望を叶えるスタイルチェンジとカラーデザインの4つの課題に取り組み、それぞれの芸術性やファッションセンス、技術力を競い合うんだ。繊細な手さばきと独創的な発想から生まれるヘアスタイルは、どれも若い競技者たちの感性と技術が生み出す素晴らしいアート作品だと感じたよ。
IT社会を支えるために欠かせないスキル〜ITネットワークシステム管理〜
静寂に包まれた会場の一角で、黙々とパソコンと向き合いながら競技が進行していく、ITネットワークシステム管理。信頼性の高いシステムを構築するスキルを持ったネットワーク技術者は、あらゆるものがインターネットにつながるIT社会では重要な役割を担う存在。ネットワークやサーバシステムを構築し、信頼性の高いネットワークを設計・構築・運用管理するためには、常に最新の知識&スキルはもちろん、システムが正常に稼働するよう、トラブルを未然に防ぎ、もしもの場合は、迅速かつ的確に対処する高い技能が必要とされるんだ。2日間/9時間にわたって行われる競技課題は、「企業内ネットワーク/サーバシステムの構築技術」と「ネットワークトラブルへの対処技術」の2テーマ。ポイントは、要求されたネットワークシステムを時間内に正確に実現し、信頼性の高いシステムを構築すること。そして、トラブル解決の課題では、原因の特定と解決の方法について、的確に把握できているか、正確でわかりやすい文章で報告されているかが求められるんだ。パソコンが並ぶ会場は、競技者たちの静かな熱気に包まれ、独特の緊張感が張り詰めているのが印象的だったよ。
質の高いおもてなしとサービスを披露〜レストランサービス〜
高級ホテルや“グラン・メゾン”と呼ばれる三つ星レストランなどで提供される質の高いサービス技能を競う、レストランサービス。テーブルセッティングから食前酒のカクテルづくり、ワインの提供や料理の配膳、そして、お客様を見送るまでの一連のプロセスを通じて、豊富な知識や正確な技術、心地よい空間を生むおもてなしの気持ちを含めた総合的なサービスのクオリティが求められる競技なんだ。最初のファインダイニングでは、テーブルセッティング、スパークリングワインのサービス、オードブルサービス、赤ワインのデキャンタージュ、若鶏のローストを切り分けるデクパージュ、デザートサービスに関するテクニックを披露。続いてカクテルやアイリッシュコーヒーの作成、フランベデザートとフルーツの盛り合わせの作成、さらにはオーダーや料理・ワインの説明を英語で行う英会話の技能も試されるんだ。お客様の前では笑顔を忘れず、一つ一つの動作を的確にこなしながら、その空間全体、時間の流れを通じて感動を与えるようなサービスを提供するのは、とても高度な技能が必要。その難しさは、参加選手一人ひとりの表情や緊張感からもひしひしと伝わってきたよ。
正確な加工技能を駆使して組み立てる〜配管~
きれいな水とお湯をキッチンや浴室、トイレに送る給水・給湯管、そして使用後の水を流す排水管。こうした配管の取り付け工事を担うのが配管技能者なんだ。競技では、建物に必要不可欠な「給水配管」「給湯配管」「排水配管」の3種類の配管を課題図面に従って製作。図面を正しく読み取り、支給される多種多様な管材料をカットし、曲げ加工して、接合するなど、規定時間の6時間10分で、正確に組み立て完成させることが求められる。管の切断や切り口の正しい処理、管の曲げ加工、ねじ接合などのさまざまな技能に加え、それぞれの処理の仕上げや寸法の精度、完成品の出来栄え、作業スピード、安全性への配慮など、総合的に評価されるんだ。競技会場では、背景の壁に組み立てられた配管設備が取り付けられていくので、見学者にも作業の様子や進捗がわかりやすいし、選手ごとの組み上げ手順の違いも一目瞭然。それぞれの個性や技能が作業に顕著にあらわれているのが興味深かったよ。
今年の技能五輪でも、東京都代表の選手たちが大活躍!22職種に48名が出場し、金賞3名、銀賞5名、銅賞5名、敢闘賞9名という結果だったよ。
次回は、同じ会場で実施された第42回全国アビリンピック(全国障害者技能競技大会)を紹介。障害のある選手たちが活躍する様子をリポートするね。お楽しみに!