2024年10月から11月の間、都内11箇所の東京都立職業能力開発センターで技能祭が開催されたよ。わざねこは、東京都立中央・城北職業能力開発センター赤羽校を訪問。さまざまな催しが行われ、大盛況だった当日の様子をレポートするね。
技能祭とは?
東京都が運営する職業訓練校である職業能力開発センターの施設を公開し、職業訓練で製作された生徒作品の展示や販売、実演、ものづくり体験を通じて、各職業訓練科の職業訓練の内容や成果を紹介するイベント。周辺地域との交流を深め、ものづくりの技能の魅力を伝える。
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距離当てゲームに挑戦!
測量の技術をはじめ、関連の深い土木設計の知識も学び、1年の訓練期間修了後は、測量や土木設計、土地家屋調査などの分野への就職を目指す、測量設計科。教室では、距離と角度を同時に測る測量機器「トータルステーション」を使った距離当てゲームをしていたよ。トータルステーションからレーザーを照射、屋外の壁に貼られたポスターのターゲット(目標地点)から跳ね返ってくる数値を測定して距離を算出するんだ。ゲームではまず、参加者が窓から目視で想定。次にレーザーを当てて距離を測定するよ。わざねこは、50mと予想。でも、実際は24mだったよ。距離感覚をつかむのは、難しいね。測量機器の展示コーナーでは、最先端の測量方法として、ドローンを使った測量や人工衛星から発信される電波を使って現在位置を知るGNSS測量が紹介されていたよ。GNSS測量で使われる衛星は年々増えているけど、衛星の数が増えれば、位置情報の精度は上がるんだって。測量の世界もどんどん進化しているね。
ミニュチュアハウスで、家づくり体験!
建築関連業界では、コンピュータで図面を描くCAD操作のできる人材が求められているんだ。建築CAD科は訓練期間6カ月で、建築の基礎知識とCADを使った建築製図の実技を習得、修了後は建築CADオペレーターを目指す科目だよ。子供たちが楽しそうに住宅模型の製作に取り組んでいたのは、「ミニチュアハウスをつくろう」のコーナー。色鉛筆やクレヨン、ポスターカラーを使って壁や屋根に好きな色を塗り、手順に従って敷地に見立てた台紙に壁を立て、木工用ボンドで接着しながら組み立てていくんだ。色とりどりのミニチュアハウスは、なかなか素敵。PCが並ぶCAD実習室では、3DCADを使った家の設計体験をやっていたよ。間取り作成ソフトで、好きな間取りをはめ込んでいくだけで、自分の家が設計できるんだ。簡単に3Dの家が完成。自由に動かして、いろいろな角度から立体的に家の様子が見られるよ。わざねこも、自分の家を設計してみたいな。
8本のカラフルなケーブルをつなぐ
Webサイトの開発技術者を目指すWeb設計科では、訓練期間1年で、Webサイトの設計からデザイン、コーディングに至る制作作業に加え、サイト上で使われるデータベース、Web連携したアプリケーションの開発技法などを体系的に学ぶんだ。個人やグループでのWeb制作にも取り組んでいて、作品が展示されていたよ。体験コーナーで行われていたのは、「LANケーブルを作ろう」。LANケーブルは、ネットワーク(LAN)を構成する機器をつなぐ通信ケーブルのこと。中には緑、オレンジ、茶、青がそれぞれペアになった8本の線が通っていて、そこをデータが行き来するんだ。ケーブルを作る時に並べる順番を間違えると、データがバラバラになって通信できなくなってしまうんだって。だから、参加者はみんな、真剣に作業に集中していたよ。ケーブルの断面はカラフルできれいだけど、作るのはなかなか難しそうだね。
電気工事の仕事を体験
電気工事士を目指す、 電気工事科。電気工事には、 発電所や変電所からの電気を送るために電柱を立てたり、電線をつないだりする外線工事と、 建物内で電気を使えるようにするためにケーブルを配線し、コンセントやスイッチ・照明などの機器を取り付ける内線工事があるんだ。電気工事科では、 電気工事の仕事をするために必要な知識に加え、 さまざまな実習を通じて実践的な技能を身に付けるよ。 また、修了時には、住宅などの電気工事を行うために必要となる第二種電気工事士の資格も取得できるんだ。 「電気工事のお仕事体験」のコーナーでは、照明のスイッチやコンセントを交換する作業が体験できたよ。 実際の電気工事でも使う専用工具によるケーブルの加工やスイッチ、コンセントへの正しいつなぎ方を学んだよ。 電気は感電や火災などの事故につながるから、 電気工事科で正しい知識、技能を身に付けよう。
生徒が制作した「ストラックアウト」は、子どもたちに大人気だったよ。 このオリジナルゲームは、PLC という制御装置を応用して作ったんだって。PLC は、シーケンス制御と呼ばれる技術のひとつで、 家電製品から信号機、エレベーター、 遊園地のアトラクションまで身の回りにあるさまざまな機械を制御するために利用されているんだ。 このPLC にプログラムを入力するだけで機械を簡単に制御できるんだって。電気工事に加え、シーケンス制御も学べるなんて、 電気工事科は実践に役立つことを学べる科目なんだね。
南極の世界を体感!
環境空調サービス科は訓練期間1年で、工具の使い方を覚えるところからスタートするよ。業務用エアコン等の取り付け、洗浄・清掃、冷媒回収などを学び、冷凍・冷蔵倉庫の冷やす原理から電気の知識、配管をつなぐための溶接、建築構造を理解するなど、設備のメンテナンス、点検・施工・取り付けができる技術者として必要な知識・技術をしっかり習得するんだ。体験コーナーでは、マイナス30度の世界が体感できる「南極体験」が大人気。輸入されたエビやマグロが保管されているような冷凍庫に入るんだ。「冷凍わざねこ」になりそうなくらい冷たかったよ。「真ちゅうキーホルダーを作ろう」のコーナーでは、キーホルダーに名前を打ち込み、磨いてきれいに仕上げる金属加工が体験できるんだ。配管パイプで作った「環空(かんくう)ちゃん」というキャラクターが可愛かったよ。
技能祭は、楽しい体験イベントや実演、多彩な展示を通じて、ものづくりとその技能が、みんなの暮らしとつながっていることを実感できるよ。若い人が将来の仕事を考える上でも、いろいろなヒントがあると思うので、こうした機会にぜひ、職業能力開発センターを訪ねてほしいな。
学校名 | 東京都立中央・城北職業能力開発センター 赤羽校 |
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所在地 | 東京都北区西が丘3-7-8 |
連絡先 | TEL:03-3909-8333 |
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