中国料理の奥深さに魅せられて catch
#105

中華料理

中国料理の奥深さに魅せられて

中国料理 古月本店
立花 翔さん

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数千年に及ぶ歴史とともに、それぞれの地域の気候や風土、食材、調理法に応じて多様な食文化を育んできた、中国料理。大きく北京料理、上海料理、四川料理、広東料理の4大流派に発展し、日本人にとっても身近な食として広く親しまれている中国料理について、古月本店の立花翔さんに伺いました。

エビチリから料理の道へ

エビチリから料理の道へ

もともと食べることが好きで、好物は母の作ったエビチリでした。小学生の頃、味噌屋の友人がいて、お店が遊び場で、味噌づくりを体験させてもらったことがあり、そういう影響で、中学生の頃から漠然と料理の道に興味を持つようになりました。高校卒業後、料理学校に進み、インターンでこの店に来た際、食材研究や料理教室など、いろいろなことに取り組んでいる様子を見て、ぜひ入りたいと思いました。今、入社12年目を迎え、厨房で「板(※)」として、食材の野菜をさまざまな形・大きさに切って準備する切りものを担当しています。朝、出社してガラスープを仕込み、その日の予約を確認したら、メニューに応じて人数分の食材を用意し、ランチタイムには料理担当として鍋を振ります。お昼が終わると、夜の仕込み。時間があれば、翌日の予約を確認して準備します。その後は、賄いを作り、みんなで食べて、休憩。夜は料理長の補佐を担当します。
※板:厨房で食材を切る担当


お客様に喜んでいただくために

お客様に喜んでいただくために

大切なのは、お客様が喜ぶにはどうすればいいかを考え、食材の切り方一つとっても工夫を重ね、一つ一つの仕事に臨むことだと思います。例えば、青椒肉絲(チンジャオロース※)はピーマンと肉を細切りにしますが、食感にばらつきが出ないよう、すべて均等に切ります。イカなどの海鮮食材は、お客様が喜ぶように飾り切りを工夫し、炒める際も、種類によって火の通り具合が異なるため、手順や温度を調整します。お客様が目にした時、口にした瞬間に、どう感じるかを第一に考え、大きさや形を揃え、美しく仕上げることが大切です。
※青椒肉絲(チンジャオロース):ピーマンと豚肉の細切り炒め


味の決め方

味の決め方

味は、料理人が感覚で掴んでいくもの。まずは、師匠の味を舌で覚えます。師匠は調味料をお玉で掬い、目分量で入れていくので、それをよく見て自分でも試して、味を見極めます。これを繰り返し、感覚を掴み、その味見した時の感覚知の蓄積が、味の再現につながります。ちょっとした火加減、材料の下味の付け方、微細な塩加減、素材によっても味は変わるので、そこが料理の難しさ。とにかく師匠の料理を見て盗むことを入った頃からずっと続けています。

本場で学ぶ

本場で学ぶ

日本中国料理協会が2年に一度、40歳以下の若手で競う青年部の全国コンクールを開催していますが、ちょうど2年目の頃、出場に向けて勉強してくるようにいわれ、一人で上海へ行きました。知り合いの方に紹介していただいたレストランにお世話になり、5日間ほど研修を受けました。中国語は話せないし、2年目なので知識もありませんでしたが、たくさん刺激を受け、とてもいい経験になりました。本場のお店は、饅頭や小籠包を作る専用の点心部屋があり、それ以外にも鍋専用の調理部屋、下処理専用の部屋など、ビルのフロア全体が調理場で構成されており、その規模にびっくりしました。この時の経験は、強く印象に残っています。

下積みを乗り越えて

下積みを乗り越えて

仕この仕事は、下積みの1〜2年がいちばん大変です。私は1年目にデザートを任されたのですが、季節の果物を使った月替わりのメニューでいろいろトライしたものの、ダメ出しばかり。でも、自分で調べて工夫を重ねるうちに、だんだん楽しくなってきました。強い意志を持って乗り越え、自分で作れる機会が増えると、仕事は楽しくなります。「美味しかったと喜んでいたよ」とホール担当のスタッフからお客様の反応を聞くと素直に嬉しいし、やりがいにつながります。日々研鑽を重ね、いずれは料理長として上に立ち、いつか自分の店を持って、新しいことにチャレンジしてみたいと思います。

古から学ぶ、中国料理の奥深さ

古い料理が好きで文献を集めており、ここ6〜7年ほど、本を読むために中国語も勉強しています。中国語がわかると、すごく知識の幅が広がります。中国料理は、長い歴史の中で、時代ごとに変化・進化し続けていますが、古い料理にも、こんな調理法があるのか、と発見があります。知らない料理はまだまだたくさんあり、中国料理の奥深さを実感しています。

古から学ぶ、中国料理の奥深さ

中国料理の魅力とは
中国料理 古月本店 総料理長/山中 一男さん


ものづくりの仕事なので、自分の手がけた料理が形になり、お客様に喜ばれるのは、作り手にとっての醍醐味です。料理は、実践的な知識・技術を身につけるだけでなく、そこに自分の個性をどう表現するかが大切。食文化や歴史を学び、教養を身につけながら、自らの料理観を築き、自分の料理を創造していく。料理で世界観を表現し、お客様に伝えるところに面白さがあると思います。ビストロの名店のように、料理人の個性で勝負する高級中華店というのは、これから増えていくと思います。その意味でも、中国料理の可能性は大きいと思います。

中国料理の魅力とは
企業名 中国料理 古月本店
所在地 東京都台東区池之端4丁目23-1
連絡先 TEL:03-3821-4751
ホームページ 中国料理 古月本店のHPへ

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