イベントや展示会、コンサート、そして、街を彩るイルミネーション。こうした華やかな舞台の裏側には必ず、それを支える電気設備のプロフェッショナルの存在があります。さまざまなイベント会場で電気設備の設置・工事などに携わる株式会社純光社の蜷川翔也さんに、電気工事士の仕事、その面白さや魅力などについて伺いました。
“イベントの仕事“に惹かれて
企業向けの展示会やイベントなどに伴う電気設備の工事や機器の設置等を会場で行うのが主な仕事です。高校時代は、機械科で工作機械を扱っていましたが、たまたま求人票に“イベントの仕事”という記載があったのを見つけて、面白そうだなと思って入社したのが電気工事士になったきっかけです。今まで何げなくイベントやライブに足を運んでいましたが、自分が実際に仕事をするようになってみると、これだけ多くの人が現場の運営や設営に関わっていることに凄さを感じます。普段、目にすることのない華やかな舞台の裏側を見られる楽しさも、この仕事の魅力だと思います。
求められる、現場での対応力
展示会の現場では、図面を見ながら、実際に設置されたブースを確認した上で、きれいに目立たなく配線するための工夫や手順、電源の引き込み経路、作業の段取りなどを考えて進めていきます。図面の内容と現場の状況が違うこともあり、特に食品や美容関連の展示会では、ドライヤーや電子レンジなど、ブースで使用する機器の追加があると電気使用量が増すため、ブレーカーの容量変更など、現場で臨機応変に対応することが求められます。電気工事には危険が伴うので、常に気を張り、どんなに忙しくても、電線とブレーカーの接続部分のネジを確認し、緩みがあれば締めつける“増し締め”は確実に行います。ネジが緩んでいると、緩んだネジ部が異常発熱して接続部周辺が融解し、火災などの事故につながるので、細心の注意が必要です。
やり切った充実感でいっぱい
電気工事士の資格を取得したばかりの頃、初めて班長として「東京モーターショー」のホールを担当しました。ブース規模も大きく、わからないことだらけでしたが、先輩に助けてもらいながら、何とか施工を終えた時は、“やり切った!”という充実感でいっぱいになりました。何も知らずに、この業界に飛び込んで、8年。最近は一人で現場を任されるようになり、後輩の指導にもあたっています。現場での急な変更にも柔軟に対応できるようになり、自らの成長を少し感じています。
主な仕事内容
現場作業がある日
出社後、現場に持ち込む道具を選別し、会場のブースごとに振り分けます。会場に着いたら、現場の状況に応じて、できる作業から取り掛かり、電気配線や分電盤の取り付けなどを行います。
現場作業がない日
倉庫で、次回の現場で使用する機材を整理し、材料出しや積み込みを行います。その後は、普段使用している道具を磨いたり、塗装したり、メンテナンス作業を行います。
先輩たちを追いかけて
現場の設営は2日程度の短い期間で行うため、時間に追われます。そんな状況の中でも、冷静かつ手早く作業を進めている先輩たちを見ていると、経験と電気に対する知識量の差を痛感します。今、「電気工事施工管理技士」の資格取得を目指しているので、まずはそれを目標に勉強し、現場での経験をもっと積んで、下の世代に的確に指示が出せるだけの知識と技術をしっかり身につけたいと思います。そして、先輩たちのように、どんな時も落ち着いて手際よく作業を進め、周りから信頼される電気工事士になりたいと思います。
学ぶことに、終わりはない
電気工事の現場では、わかることを増やしていくのが、作業の安全につながります。特に展示会では、一つのブレーカーから、いくつかのブースにまたがって配線されていることが多いため、仮にブレーカーを落としてしまうようなことになれば、周囲に大きな影響を及ぼすことになります。電気は勉強することがたくさんあり、その一つ一つを確実に理解し、対応できるようにすることが大切です。電気の分野では、学ぶことに終わりはありません。その意味でも、何か一つのことに集中して追求できるような人が、電気工事士に向いているのではないかと思います。
電気工事には、どんな資格が必要?
電気設備の工事・取扱いに必要な国家資格には、600ボルト以下の低圧で受電する一般住宅や小規模な店舗・事業所などの工事に従事できる「第二種電気工事士」と、第二種の範囲に加え、最大電力500キロワット未満の高圧で受電するビルや工場、大規模店舗などの工事に従事できる「第一種電気工事士」があります。また、発電所や変電所、ビル、工場などで設備の保守・運用などの保安監督を担う「電気主任技術者」、建設業の営業所や工事現場などで施工計画、工程・安全・品質の管理から工事監督までを担う「電気工事施工管理技士」など、多くの関連資格があります。
社名 | 株式会社純光社 |
---|---|
本社所在地 | 〒134-0091 東京都江戸川区船堀3‐11‐11 |
TEL | 03-3675-3001 |
FAX | 03-3675-3139 |
メールアドレス | contact@junkosha.jp |
主な業務内容 | イベントや展示会を主体とする電気設備工事の設計・施工・保守管理 |
ホームページ | 株式会社純光社のHPへ |