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WEB空間を訪れるユーザーに<br>とって、 よりよい体験を設計・<br>デザインする仕事。
#39

WEBデザイナー(UIデザイナー)

WEB空間を訪れるユーザーに
とって、 よりよい体験を設計・
デザインする仕事。

アクセンチュア株式会社
アクセンチュア ソング本部
斎藤 晃聖さん

WEBサイトやアプリにおいて、ユーザーがサービスや製品などに触れる接点となるUI(ユーザーインタフェイス※)。その設計を担い、アートの世界で培った経験を活かしながら、より良い体験をデザインするUIデザイナーとして活躍するアクセンチュア株式会社の斎藤 晃聖(あきと)さんにお話を伺いました。
※ユーザインターフェース:操作画面や操作方法

アートからWEBの世界へ

アートからWEBの世界へ

高校時代、画業を志し、細密画の点描を打ちながら作品づくりに没頭していましたが、絵画のアカデミックな知識を得たいと考え、美大に進学しました。メディアアート分野の“インタラクティブメディアアート”を専攻、観客が参加・体験することで展示空間全体が作品として成立するインスタレーションの制作に取り組みました。どうしたら観客が思い通りに動いてくれるか、作品に触れてくれるのかに注目し、鑑賞空間に入ってから帰宅するまでの長いスパンで体験の構築を考えていました。しかし、物理的なアートは、展示場所が限られ、観客全員が触れられないという限界がありました。それで、誰もが場所を選ばずに触れられ、OSやデバイスも関係ないWEB空間に興味を持つようになりました。実は、大学に入るまでパソコンを触ったことがなく、入学後に一から勉強する中で、アナログの世界で蓄積した経験知をデジタルで活かしたいと考えるようになり、誰かの役に立つ、課題を解決するようなWEBサイトやWEBシステムを手掛ける、WEBの世界へ足を踏み入れました。

サイト作成の流れ

  • 営業ヒアリング

    営業

    依頼主から、ウェブサイトを通じてどのような体験をユーザーに提供したいか、要望をヒアリング。

  • WEBデザイナーデザイン

    WEBデザイナー

    要望を基に、ウェブサイトのラフ構成や画面デザインのラフを作成し、提案。

  • エンジニア実装

    エンジニア

    固まったデザインをもとにコーディングし、サイトを形にする。

ユーザーにとって、よりよい体験をつくる

ユーザーにとって、よりよい体験をつくる

今、WEBデザインの中でも、ユーザーとプロダクト(製品・成果物)の接触点をデザインするUIデザイナーとして活動しています。画面デザインをつくるだけでなく、プロダクトとユーザーの関係性をデザインすることが多く、体験設計や実装も含めて検証しながら、ビジネス、テクノロジー、デザインという3つの領域をつなぐことで、よりよい体験、サービスをつくるのが主な仕事です。WEBサイトはただつくればよいのではなく、“なぜ必要なのか・何を伝えたいのか”を明らかにし、クライアント(依頼主)が気づいていない課題まで深く掘り下げて考え、明らかにした上で、何をすべきか、どうすればいいのかを提案します。 ユーザーの包括的な体験を構築するという意味では、大学時代の“インタラクティブメディアアート”とつながっていると思います。誰がいつどこで触るのかを意識しながらデザインし、その時、その人が何を求めているのか、どうしてほしいのか、作り手として何かできるのか、を常に考えます。きれいな画面をつくるというよりも、ユーザーが望むことを確実にできる、その体験や接点を意識した触り心地の良い、必然性のあるデザインを作り上げます。

大切にしていること

大切にしていること

体験を設計する上では、まずユーザーのことを考えます、サイトを利用する時に、使いたいものが最適な場所にあるよう配置し、ボタンの位置、感触、配色などを考えます。ほしいものが的確な場所にあるという小さな体験が積み重なることで、その人はサイトやアプリ、さらにはその先にある企業のことが好きになり、ファンになる。加えて、そうした体験設計を通じて、クライアントのビジネスの成長につながるか、変化できるかを考えます。ユーザーとクライアントという2つの軸を常に頭に置きながら、使う人の体験としてふさわしいものか、企業価値を創出できているかに注視し、サイトづくりに取り組みます。体験には正解がなく、WEBサイトは常に時代の流れに応じてアップデートしていくものです。要件をヒアリングし、デザインや構成のラフをつくって提案し、実装可能かどうかを精査しながら、細かい作業もこなし、目標に向けて進んでいく。そのためには、前向きな気持ちと難解な問題に立ち向かう覚悟、クライアントやユーザーに共感できる力が求められると思います。

仕事の魅力

仕事の魅力

アクセンチュアには、私のようなUIデザイナーやクリエイターだけでなく、多様な業界のコンサルタントやテクノロジーの専門家もいて、こうしたさまざまなスキルセット(※)を備えた人材が集まるチームで、多角的な視点からウェブサイトやアプリを磨き上げていく面白さがあります。多彩な視点、多様な人種、さまざまな考え方を持つ人、その豊富なスキルセットの組み合わせが一つの目標に向かっていく時の高揚感、熱量に感動する瞬間があり、そこに大きなやりがいを感じています。昔から、ものごとを突き詰めて考えるのが好きで、逆に流れ作業はあまり得意ではありませんでした。だから、ずっと考える、改善を続ける、アップデートし続けていく今の仕事は飽きることがありません。プロジェクトの目的によって届ける相手が違えば、やることや工程が変わり、クライアントによっても伝え方は異なるので、プロジェクトごとに自分の思考回路をチューニングします。その意味でも、毎回新鮮で、たくさん考えることができるのが、この仕事の魅力だと思います。
※スキルセット:仕事をする上で必要となる知識や技術の組み合わせ

正しい努力をすれば、夢は叶う

正しい努力をすれば、夢は叶う

パソコンの使い方もわからなかった大学時代から始まり、今、こういう仕事ができるまでになった自分の経験と照らしても、自らの進むべき方向を見定め、真っ直ぐ進むための正しい努力をすれば、夢は叶うものだと思います。今後は、これまで関わってきたデザインやテクノロジーの知見を活かしながら、デジタルサービスを使う人、作る人にとって心地よい方向に拡張していけるデザイナーになりたい。それがいちばんの夢です。それには、学び続けることが必要で、わからないことはわからないと認識し、知るための努力を続けていく。小さなことから学ぶ力を積み上げ、しっかり土台を築いた上で、いろいろな専門性を身につけたいと思います。学び続ける力、何でも吸収し、アウトプットできる柔軟性のある思考力を磨くことが、デザイナーとしての力になっていくと思います。

デザイナーにとって、テクノロジーの知識は必要か?

WEBサイトを構築する際に使うテクノロジーにはクセのようなものがあり、プログラミングで作りやすいデザイン、作りにくいデザインがあります。それ以外にも技術的な制約はあり、技術的な知見があれば、それを踏まえたデザインをつくることができます。ユーザーにとって最良の体験を設計するにも、技術的観点が抜けていると実現できない場合があり、逆にテクノロジーを知っていることで、自分の発想よりも良い提案ができることもあります。油絵の画家が、絵の具と油の特性にすごく詳しく、陶芸家が土に詳しいのと同様、テクノロジーは素材であって、デザイナーがその素材をしっかり理解していなければ、良いものをつくることはできません。

デザイナーにとって、テクノロジーの知識は必要か?
社名 アクセンチュア株式会社
本社所在地 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
連絡先 03-3588-3000
主な業務内容 「ストラテジー & コンサルティング」「アクセンチュア ソング」「テクノロジー」「オペレーションズ」
「インダストリーX」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供
ホームページ アクセンチュア株式会社のHPへ

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